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外国人材の定着のために、受け入れ企業ができること。監理団体・登録支援機関への相談のしかた

外国人材の定着は、監理団体や登録支援機関に任せきりにはできません。支援の責任は、受け入れ企業にもあります。この記事では、企業が自分でできることと、いま付き合いのある機関に相談するときの聞き方を整理します。

制度の確認日 (出典は記事の最後にあります)

この記事の要点

  • 特定技能の支援計画は受け入れ企業が作るものです。登録支援機関に委託しても、計画の主体は企業のままです。技能実習でも、実習実施者には技能実習生の保護について責務があります。
  • 企業が自分でできることは、厚生労働省の指針に7つの項目で示されています。相談窓口、文書の多言語化、手続への配慮などです。
  • 機関に相談するときは、「面談と面談のあいだ、ご本人の様子をどう把握しているか」「企業にはどこまで伝わるか」を聞くと、話が具体的になります。
  • 毎月の声を聞く仕組みを機関に打診するのも一つの選択肢です。当社のサービスは機関が契約して使うもので、企業からの直接のお申し込みは受け付けていません。

支援は機関が行っても、責任は企業にもある

制度企業の立場根拠
特定技能1号特定技能外国人を受け入れる企業(受入れ機関)は、支援計画を作成し、計画に基づいて支援を行わなければなりません。支援の全部または一部を登録支援機関に委託できます。全部を委託すると、企業が満たすべき支援体制の基準を満たしたものとみなされます。入管庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」
技能実習実習実施者は、技能実習の適正な実施と技能実習生の保護について、技能実習を行わせる者としての責任を自覚し、環境の整備に努めることとされています。技能実習法 第5条第1項
育成就労(2027年4月1日から)一定の要件のもとで、本人の意向による転籍ができるようになります。転籍制限期間や技能・日本語の要件は分野ごとに定められます。入管庁「育成就労制度Q&A」Q47

特定技能の相談・苦情への対応や定期的な面談は、委託先の登録支援機関が行う場面が多いものです。それでも、計画の主体は企業です。機関が何をしているかを知っておくことは、企業の仕事の一部です。

根拠: 入管庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」、技能実習法 第5条、入管庁「育成就労制度Q&A」Q47

企業が自分でできること(厚生労働省の指針)

厚生労働省の指針は、外国人労働者を雇う事業主が講ずべき措置を定めています。定着に関わるのは「適切な人事管理、教育訓練、福利厚生等」の7つの項目です。企業が自分で動けるものを、4つに絞ります。

  • 苦情・相談の窓口を決めておく(指針の3)。だれに、どの言語で相談できるかを、ご本人に伝えます。地方公共団体の相談窓口を教えることも含まれます。
  • 社内規程などの文書を多言語化する(指針の1)。評価や賃金の決め方、配置の運用を、透明で公正にすることも同じ項目です。
  • 生活の支援(指針の2)。日本語の学習、生活習慣や雇用慣行の理解、地域の行事への参加、行政機関・医療機関・金融機関の情報提供や同行。
  • 手続への配慮(指針の6)。在留資格の変更や更新の手続で、勤務時間に配慮します。一時帰国を希望するときの休暇の取得にも配慮します。

多くは「努めること」と書かれた努力義務です。外国人労働者を常時10人以上雇用するときは、人事課長などを雇用労務責任者として選任することも、指針に書かれています。7つの項目の全文は、記事「外国人の定着を図るには。監理団体・登録支援機関が、毎月できること」の表をご覧ください。

根拠: 厚生労働省「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(平成19年厚生労働省告示第276号)第四の五・第六

機関に相談するときの聞き方

機関を責める聞き方ではなく、「企業として何を知っておけばよいか」を聞く形にすると、話が進みます。次の5つを、そのまま使えます。

聞くことなぜ聞くか
定期的な面談のあいだ、ご本人の様子をどう把握していますか特定技能の定期的な面談は3か月に1回以上です。そのあいだの変化が、だれにも見えていないことがあります。
相談は、ご本人の言葉で聞けていますか相談・苦情への対応は、外国人が十分に理解できる言語で行うこととされています。
気になる変化があったとき、企業にはどう知らせてもらえますか知らせの早さと形(電話・メール・訪問)を、先に決めておきます。
面談や相談の記録は、どう残していますか特定技能の定期届出は年1回で、支援の実施状況の記録が材料になります。
企業には、どこまで伝わりますかご本人のプライバシーと、企業が知るべきことの線引きを、機関と企業で合わせておきます。

根拠: 入管庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」(義務的支援の7と10)、同「特定技能所属機関・登録支援機関による届出」

毎月の声を聞く仕組みを、機関に打診する

ここから先は、当社の考えです

面談と面談のあいだをつなぐ方法の一つが、毎月、ご本人の言葉で短く聞く仕組みです。当社の「外国人材 定着コンパス」は、監理団体・登録支援機関が契約して使うサービスで、ご本人が母語で毎月4問に答え、機関の画面に集まります。受け入れ企業からの直接のお申し込みは、いまは受け付けていません。企業の側からできるのは、いまの機関に「こういう仕組みを使えないか」と相談することです。機関が使うかどうか、費用をどうするかは、機関と企業のあいだで決めることです。

打診するときは、次のことを一緒に確かめると、話が早く進みます。

  • 企業に渡るのは何か(集計のレポートと、ご本人が了承した支援記録)
  • ご本人に、だれが何を見られるかをどう説明するか
  • 番号票をご本人に直接渡す段取り(企業の担当者が代わりに答えない前提)

打診する前に知っておくこと

当社のサービスで、受け入れ企業に渡るものと渡らないものは、次のとおりです(このサイトの「機能」「よくあるご質問」に書いてあることです)。

項目受け入れ企業には
集計のレポート機関が発行する共有リンクで渡ります。その企業のその月の回答が4名以上のときに表示されます。答えた方が3名未満の項目は伏せ字になり、自由記述の本文は載りません。
だれがどう答えたか渡りません。見られるのは機関の職員だけです。
支援記録ご本人が了承した記録だけ、人数に関係なく、同じ共有リンクに載せられます。
届出の書類・支援の代行当社は行いません。届出は企業が、支援は機関または企業が行います。

企業に渡る範囲が狭いのは、ご本人が「会社には話しにくいこと」を答えられるようにするためです。機関と企業の両方で、この前提を共有してからお使いください。

根拠: このサイトの「機能」「よくあるご質問」(企業への共有)。製品の動きは、製品のコードで確かめています。

よくあるご質問

受け入れ企業が、直接申し込めますか。

いまは受け付けていません。当社のサービスは、監理団体・登録支援機関が契約して使うものです。まず、いま付き合いのある機関にご相談ください。機関から当社へのお問い合わせは、フォーム・メール・FAXで承ります。

うちの外国人材は3人です。レポートは見られますか。

共有リンクは発行できますが、集計のレポートは表示されません(4名以上が条件です)。ご本人が了承した支援記録は、人数に関係なく同じリンクに載せられます。

答えた本人が、会社に分かってしまいませんか。

企業に渡る集計では、答えた方が3名未満の項目は伏せ字になり、自由記述の本文は載りません。だれがどう答えたかを見られるのは、機関の職員だけです。

機関が「使わない」と言ったら。

機関の判断です。その場合も、上の「聞き方」の5つは、仕組みがなくても機関と話せることです。面談のあいだの把握と、企業への知らせ方を、機関と決めておくことをおすすめします。

書いた立場: 株式会社first penguin2018年から監理団体の一員として技能実習生の受け入れに携わり、2021年からは登録支援機関(登録番号 20登-005532)として特定技能の支援を行っています。「外国人材 定着コンパス」の運営会社です。