2026年9月の制度ニュース。特定技能の養成講習と日本語B1、育成就労の送出機関リスト、最低賃金の改定
2026年9月に、出入国在留管理庁・外国人技能実習機構・国税庁・厚生労働省が公表した制度のニュースを8件にまとめました。1件ごとに、監理団体・監理支援機関と登録支援機関が何をすればよいかを添えています。
制度の確認日 (出典は記事の最後にあります)
この記事の要点
- 特定技能の支援責任者に、2027年4月1日から養成講習の修了が義務になります。登録支援機関で選任した支援責任者も対象です。ただし経過措置で、当分の間、適用されないとされています(9月14日・入管庁)。
- 日本語能力水準「B1相当以上」は、在留資格認定証明書交付申請では2027年4月1日以降の申請から必要です(9月30日・入管庁)。
- 特定技能在留外国人数は2026年6月末で444,256人。過去最高ですが、伸び率は3回続けて下がりました(9月29日・入管庁)。
- 育成就労の送出機関リストは、9月にラオス・タイ・スリランカが「認定」に。分野別運用要領は自動車整備とビルクリーニングが改正されました(機構)。
- 令和8年度の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,177円(56円の引き上げ)。発効日は都道府県ごとに違います(厚生労働省)。
9月14日 特定技能の養成講習(支援責任者の修了義務)
入管庁が「特定技能制度における養成講習について」を公表しました。2027年4月1日以降、支援責任者には、法務大臣が告示した養成講習機関による講習の修了が義務付けられます。
登録支援機関が支援の委託を受ける場合は、登録支援機関が事業所ごとに1名以上の支援責任者を選任し、その支援責任者も修了義務の対象です。支援担当者は義務ではなく、推奨です。修了は3年ごとに必要です。
ただし、この修了義務は、経過措置により当分の間、適用されないとされています。経過措置の終了時期は「おってお知らせ」です。養成講習機関は決定次第、入管庁のホームページで公表されます。機関の公募は2026年12月7日から2027年1月8日までです。
機関がすること: 2027年4月1日からの支援体制の要件(登録支援機関の支援体制の要件は、2027年4月1日にこう変わります(支援担当者の人数・経過措置))と合わせて、事業所ごとの支援責任者をだれにするかを決めておきます。講習の申し込みは、養成講習機関が公表されてからです。
根拠: 入管庁「特定技能制度における養成講習について」(2026年9月14日更新。2026年10月5日に確認)
9月30日 日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期
2号特定技能外国人(全分野)と、1号のうち自動車運送業分野のバス運送業区分・タクシー運送業区分、鉄道分野の運輸係員区分には、日本語能力水準「B1相当以上」が求められます。
入管庁は、在留資格認定証明書交付申請については、2027年4月1日以降の申請から必要になると示しました。在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請については「現在検討中」で、おって知らせるとしています。
機関がすること: 2027年4月以降に、海外から2号で呼ぶ方や、上の区分の1号で呼ぶ方がいる場合は、B1相当以上の確認の準備を始めます。日本にいる方の変更・更新の扱いは、まだ決まっていません。
根拠: 入管庁「日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期について」(2026年9月30日更新。2026年10月5日に確認)
9月29日 特定技能在留外国人数(2026年6月末)
入管庁が、2026年6月末の特定技能在留外国人数(速報値)を公表しました。全体で444,256人(2025年12月末比 +13.8%)と過去最高です。1号が425,961人、2号が18,295人で、2号は前年末の約2.3倍です。
一方で、全体の増加率は、前回公表時の16.1%、前々回の18.2%から、3回続けて下がりました。1号の国籍別は、ベトナム163,154人・インドネシア107,242人・ミャンマー52,993人の順。分野別は、飲食料品製造業100,769人・介護79,884人・工業製品製造業62,033人の順です。
機関がすること: 自機関の受け入れ人数の推移と、この伸び率を見比べる材料になります。インドネシア(+23.9%)とミャンマー(+19.6%)の伸びが大きく、対応言語の体制に関わります。
根拠: 入管庁「特定技能在留外国人数のポイント(令和8年6月末)」(令和8年9月。2026年10月5日に確認)
9月2日〜 育成就労の送出機関リスト(認定が4か国に)
外国人技能実習機構は、9月2日にラオスとの協力覚書(MOC)の署名を公表し、同じ日にラオスとタイの認定送出機関リストを公表しました。9月9日にスリランカの認定送出機関リストを公表し、9月17日にはミャンマーの暫定送出機関リストを公表しました。
2026年10月5日の時点で、リストが公表されているのは16か国です。うち認定はウズベキスタン・スリランカ・タイ・ラオスの4か国、暫定は12か国です。10月に入ってからも、ネパール(10月2日)とベトナム(10月5日)の暫定リストが更新されています。
技能実習の側では、9月30日にインドネシアの認定送出機関一覧から3機関が削除されました。
機関がすること: 契約している送出機関が「暫定」か「認定」か、名前がリストに残っているかを確かめます。暫定と認定の違いと、申請後に送出機関が変わったときの期限は、育成就労の送出機関リスト。「暫定」と「認定」の違いと、監理支援機関の許可が下りる順番 にまとめています。
根拠: 同機構「お知らせ」(2026年9月2日・9日・17日・30日)、「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」(2026年10月5日に確認)
9月30日 分野別運用要領の改正と、審査基準の公表状況
機構は9月30日に、育成就労の分野別運用要領のうち、自動車整備分野とビルクリーニング分野を改正したと公表しました(新旧対照表あり)。
入管庁の「育成就労制度に係る施行日前申請」のページも9月30日に更新され、2026年10月5日の時点で、審査基準の公表済みは、ビルクリーニング・リネンサプライ・自動車整備・物流倉庫・林業の5分野です。分野別運用要領の公表済みは9分野、分野別協議会等の加入手続が始まっている分野は9分野です。推薦状を発行することとしている国は、インドネシア・カンボジア・キルギス・ベトナム・ラオスの5か国で変わっていません。
機関がすること: 育成就労計画の認定の施行日前申請をする分野について、運用要領・審査基準・協議会の加入手続の公表状況を、申請の前に確かめます。公表前に申請すると、追加提出まで審査が保留されます。
根拠: 同機構「【育成就労制度】分野別運用要領(自動車整備分野及びビルクリーニング分野)を改正しました」(2026年9月30日)、入管庁「育成就労制度に係る施行日前申請」(2026年9月30日更新。2026年10月5日に確認)
9月15日 育成就労の給与は、租税条約の免税の対象外(国税庁)
国税庁が9月15日に、育成就労外国人が受ける給与の課税関係について文書回答を公表しました。育成就労の給与は、技能実習生の場合と異なり、原則として租税条約の免税規定の対象とならず、所得税と住民税の課税対象です。入管庁の「育成就労制度Q&A」にも、同じ内容がQ81として加わりました(9月25日更新)。
機関がすること: 技能実習から育成就労に切り替わる方で、これまで免税だった方には、手取りが変わることを事前に説明します。くわしくは 育成就労の給与は、原則として租税条約の免税の対象外に。国税庁の文書回答と、監理団体が伝えること をご覧ください。
根拠: 国税庁 文書回答事例(2026年9月15日公表)、入管庁「育成就労制度Q&A」Q81(2026年9月25日更新。2026年10月5日に確認)
9月9日 第14回 有識者会議(分野別運用方針の改正に向けた作業開始)
9月9日に「特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」の第14回が開かれました。議題は、分野別運用方針に係る閣議決定の報告、令和7年度の会議のフォローアップ、分野別運用方針の改正に向けた作業の開始、特定技能「外食業分野」の在留資格認定証明書交付の一時停止措置の報告です。配布資料は公開されていますが、議事要旨は「追って掲載予定」です。
機関がすること: 分野別運用方針が動き始めると、受入れ見込数や分野ごとの要件が変わることがあります。自機関が扱う分野の資料を確かめます。
根拠: 入管庁「特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」のページ(2026年10月5日に確認)
令和8年度の地域別最低賃金(10月1日から順に発効)
厚生労働省の「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」によると、答申された改定額の全国加重平均は1,177円で、前年度から56円(5.0%)の引き上げです。最高は東京の1,280円、最低は宮崎の1,085円です。
発効日は都道府県ごとに違います。最も早い北海道・宮城・栃木・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・富山・岐阜・愛知・三重・大阪・兵庫・香川は2026年10月1日、最も遅い沖縄は12月2日です。茨城は1,136円で10月18日です。
| 都道府県(例) | 改定額 | 発効日 |
|---|---|---|
| 東京 | 1,280円(+54円) | 2026年10月1日 |
| 茨城 | 1,136円(+62円) | 2026年10月18日 |
| 宮崎 | 1,085円(+62円) | 2026年10月24日 |
| 沖縄 | 1,086円(+63円) | 2026年12月2日 |
機関がすること: 技能実習生・育成就労外国人・特定技能外国人の賃金は、日本人と同等以上で、かつ最低賃金以上が要件です。時給制の方は発効日から、月給制の方は時間あたりに直した額が、新しい最低賃金を下回らないかを、都道府県ごとの発効日で確かめます。月の途中で発効する県では、発効日の前後で計算が分かれます。
発効日が10月1日でない県が多いので、「10月分の給与から一律に上げる」とすると、県によっては発効日より前の分まで上げることになります。損はしませんが、賃金台帳の記載は発効日で分けておくと、あとで説明しやすいと考えます。
根拠: 厚生労働省「令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧」(PDF。2026年10月5日に確認)
10月に始まること
- 10月1日 在留許可手数料の改定が施行されました。額と減額措置は 在留許可手数料の改定(2026年10月1日)。在留期間の更新は1年で窓口33,000円 にまとめています。
- 10月1日 入管庁が「特定技能」に係る提出書類一覧表を改定しました。申請の前に、最新の一覧表で書類を確かめます。
- 10月1日〜 地域別最低賃金が、都道府県ごとの発効日で順に変わります(上の8)。
※ この記事は、各官庁の公表資料を当社が読んでまとめたものです。制度は変わることがあります。手続の前に、各官庁の最新の案内をご確認ください。当社の許可と登録は、登録支援機関の登録と、職業紹介の許可です。このサービスを国や第三者が認めたものではありません。
出典(一次情報)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度における養成講習について」
- 出入国在留管理庁「日本語能力水準「B1相当以上」の確認開始時期について」
- 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」(ポイント(令和8年6月末)PDF)
- 外国人技能実習機構 お知らせ(送出機関リスト・分野別運用要領の改正・認定送出機関の更新)
- 同機構「外国政府認定送出機関一覧(育成就労制度)」
- 同機構「育成就労制度 分野別の運用要領」
- 出入国在留管理庁「育成就労制度に係る施行日前申請」
- 国税庁 文書回答事例「育成就労外国人が育成就労実施者から支払を受ける給与の課税関係について」
- 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」(Q81)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度及び育成就労制度の基本方針及び分野別運用方針に関する有識者会議」
- 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(令和8年度 全国一覧 PDF)
- 出入国在留管理庁「在留資格「特定技能」」(提出書類一覧表)
2026年10月5日に、上のページと資料で確認しました。制度は変わることがあります。手続の前に、各官庁の最新の案内をご確認ください。この記事は、個別の事案についての助言ではありません。
書いた立場: 株式会社first penguin2018年から監理団体の一員として技能実習生の受け入れに携わり、2021年からは登録支援機関(登録番号 20登-005532)として特定技能の支援を行っています。「外国人材 定着コンパス」の運営会社です。